動物と話せたらなぁ
動物と話ができる映画
どんな事を話してくれるのか気になりますね。毎日がとても楽しいものになりそうです。
犬は献身的な言葉をかけてくれそうです。
猫は小バカにしてきそうです。
鳥は歌でも歌ってくれそうです。
ではドラゴンはどうでしょう?
そんな疑問にお答えするのがこの映画
ドラゴンハート
監督:ロブ・コーエン
脚本:チャールズ・エドワード・ポーグ
撮影:デヴィッド・エグビー
音楽:ランディ・エデルマン
出演:
ショーン・コネリー(ドレイコ)
デニス・クエイド(ボーエン)
デヴィッド・シューリス(アイノン)
デイナ・メイヤー(カーラ)
あらすじ
王の圧政に耐えかねた農民は反乱を起こします。王は殺されその息子アイノンも重傷を負います。王妃は騎士ボーエンと共にドラゴンにアイノンを助けてくれるよう頼みます。ドラゴンは心臓の半分を与えアイノンを助けます。元気になったアイノンは王以上の圧政を行い農民を奴隷のように扱います。騎士ボーエンはアイノンが悪落ちしてしまったのはドラゴンのせいだと思い込みドラゴンを狩りながら旅を続ける。そんな旅の途中ドラゴンのドレイコと出会うのだが・・・というのが映画の概要になります。
ドラゴンは紳士的
この映画の見どころはドラゴン!しかもしゃべります!いいキャラしてます!本来なら喋らないモンスターに言葉を与えることで敵から親友に変わっていく過程がとても分かりやすく、感情移入しやすくなっています。
まずは敵として騎士ボーエンの前に現れます。
ドラゴンはとても紳士的なのでボーエンに最後の警告をしてきますがボーエンはドラゴンが憎くて憎くてたまらないので聞く耳を持ちません。闘いの中でこのドラゴンが最後の一匹ということがわかります。
膠着状態になり夜までもつれ込みます。このときボーエンは歯の間に引っかかっていた腐ったエグラモア卿の腕の匂いが気になり引っこ抜きます。ドラゴンは「ありがとう、すっきりした。何か月も引っかかってたんだ。」とお礼を言います。こんな状態でもお礼を言えるなんて素敵です。またこの場面のドラゴンとボーエンの掛け合いがとても面白いです
ドラゴン「舌の上の尻が邪魔だ。をどけてくれ。」
ボーエン「こっちもつらいんだぞ、息が臭くて我慢の限界だ!」
ドラゴン「なんてことだまったく!老いぼれ騎士が歯に詰まって腐っていたんだ。」
自分の口臭を気にするドラゴンなんて斬新です。
ドラゴンが唾を吐いておボーエンにかかってしまった時もしっかり「こりゃ済まない。」謝ってくれます。教養がある!
こうして口の中に騎士を入れたままこれじゃあらちが明かんとつぶやきますが
ボーエン「私は3日徹夜しても平気だ!」
ドラゴン「わしは3週間だ。」
どう見てもボーエンの負けなようが気がしますね。ドラゴンは終始余裕です。そんな膠着状態に飽きたのかドラゴンが休戦にしよう。口から出て話し合いを。と提案します。自分から身を引くことができるなんてとても大人!
騙すんだろ?と言うボーエンに男の約束だ。と返すドラゴン。それでも信じないボーエンを無理やり口から出してボーエンを捕まえます。
さあ殺せ!殺せ!と悪態をつくボーエンにドラゴンは
「お前を殺そうと思ったことはない。」
終始手加減されていたということでしょうか。仲間を殺されても人を殺そうとしないドラゴンさん徳が高すぎます。
「だからお前もわしを殺すな。何の利益もない。」
と続け自分が最後の一匹ということを交渉材料にボーエンを懐柔していきます。したたか!
「お前が勝てば食いぶちをなくすし、わしが勝てばまた名前を上げたい愚か者がわしを殺しに来るのを待つだけだ。」
「さあ自由にしてやろう。それでもまだ懲りもせず戦おうというのならそれも結構。付き合おう。」
とボーエンの拘束を解きますが、ドラゴンは畳みかけます。
「それとも休戦案を聞くかね?」
しばしの沈黙の後ボーエンは
「どんな休戦案だ?」
とドラゴンの聞き返します。落ちました。こうしてドラゴンは騎士ボーエンを仲間にするのでした。
前半はお互いの利害のために行動を共にしますが、後半は対話を重ねるうちお互いの良き理解者であり友として確固たる絆を深めていきます。人間とドラゴンがそこまでの関係性になったと思えるのは、やはりドラゴン自身の言葉があったからでしょう。
私も飼ってた犬に色々聞いてみたかった・・・