ガン=カタ
さあ今回はどんな映画を誉めましょうか。
アニメ業界にもガン=カタ有段者が出てきましたね。
クリスチャン・ベール主演のSF超大作
リベリオンです。
- 監督:カート・ウィマー
- 撮影:ディオン・ビーブ
- 音楽:クラウス・バデルト
クリスチャン・ベール(ジョン・プレストン)
エミリー・ワトソン(メアリー・オブライエン)
アンドリュー・ブラント(テイ・ディグス)
あらすじ
第三次世界大戦後に人々は悟りました。次、戦争が起こったら絶滅するな。と。
そこで戦争が起こらないように人々の暴力性、残虐性のルーツ、
つまり感情、又は感情の発露を促すオブジェクトを
組織的に抑制、根絶することにしました。
ゲームや芸術品、本や映画等です。
政府機関は感情抑制薬であるプロジアムの服用を
義務付けることにより市民の感情を抑制。
またグラマトン・クラリックという執行機関を組織し、
プロジアンを服用していない市民の摘発、
感情の発露を促すオブジェクトの破壊任務に充てていた。
第1級クラリックのジョン・プレストンはひょんなことから
感情抑制剤プロジアムの使用を断ったことから感情を呼び起こしてしまう。
そして感情のない社会に徐々に反感を抱き始めるのであった。
ほめポイント
とにかく主人公が感情に目覚めていく過程が
めっちゃ丁寧に描かれています。
アクション映画という区分ですが自分的には
ヒューマンドラマ映画でもいいんじゃないかと思います。
戦争後の世界は感情抑制社会都市リブリアとそれに反発する違反者との
抗争が続いていました。
そんなレジスタンスを無慈悲に殺戮していくクラリックの最高峰
ジョン・プレストン。
そして感情に影響のある芸術品を焼却していきます。
モナリザも躊躇なく燃やします。
そんなモナリザを悲しそうに見つめる同僚のパートリッジ。
そう、彼は感情抑制剤の投与をやめた違反者で度々押収した証拠品を
パクっていました。
心の病は憎悪となって現れる。
その兆しは怒りであり社会への憤激である。
これが直接戦争につながるのだ。
この病の原因こそ人間が持つ感情である。
という思想の元都市リブリアを統治するファーザーは一定の
時間が経過するたびに感情抑制薬であるプロジアムの服用を
義務付けています。
最初プレストンは妻が焼却処分にされても何も感じないほどの無感情です。
それどころか違反者である相棒を自らの手で処刑します。
プロジアムはそれほどの感情抑制効果があります。
新しい相棒のブラントに送ってもらう車中でも顔色一つ変えません。
しかし、昔からの同僚を殺したその夜、
自分の妻が連行されるときの夢を見ます。
次の日、自分が接種する分の薬を落としてしまいます。
薬をもらいに薬局的なところに行くのですがプレストンは何故か薬を貰わず
ブラントと共に禁制品の取り締まりに向かいます。
薬を打っていないせいか日常の些細なことが気になりだします。
取り締まり先の女性にときめいてしまったり。
生きる目的を聞かれ論破されたり。
朝日に感動したり。
自分の机の配置が気に入らないと思ったのか模様替えしてみたり。
身内の死にも動揺しなかったのに赤の他人の死に動揺してしまったり。
そしてヴェートーヴェンの第九を聞き号泣してしまったり。
押収品をパクッて見つかったり。
殺されそうな子犬にときめいてド下手な言い訳で子犬を助けたり。
違反者に同情して上司に盾突いたり。
女子の私物の匂いを嗅いでそれをパクったりと。
完璧、最強でマシーンのような主人公ですが感情が目覚め始めるにつれ、
思春期の少年、子供のような純粋さと脆さを持った人間になっていく。
このどんどん成長していく過程がめっちゃ好きなんです。
初めての感情をどう処理していいか戸惑うところが見ていて
恥ずかしくもあり微笑ましくもあります。
後半はますます感情が鬱積していき最後は爆発します。
その爆発の仕方がまたアクションと相まってカタルシスを
感じさせ気持ちがいいです。
是非人間として成長したプレストンがどういう結末をたどるのか
レンタルして見てみてください。